木のいのち木のこころ

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

日本の大学で建築を学ぶ者にとっては必修とも言うべき本ですね。西岡棟梁のこととか、話には聞いてはいましたがきちんと本などを読んでいなかったので結構反省です。さて、この本はもともと3つの本から構成されていて、西岡棟梁、その後を継いだ小川棟梁、それから現在小川棟梁の下で学んでいる若い大工達へのインタビューという形式となっています。

始めは西岡棟梁の部分だけでよいだろうと思ってましたが、どっこい、これはまとめて読んだ方が価値がありますね。最後の宮大工として、一人でやっていた西岡棟梁とそれを引継いで宮大工の徒弟制度を近代的な会社制度へと作り上げていった小川棟梁。そして、更にそれを受け継いでいる若い大工達からは、如何に時代が流れようとも、環境が変わろうとも変わらず受け継がれてゆく魂と技があるんだなあという意味が物凄く伝わってきました。

これらって繰返し話されるコトバによって、それらのコトバが構成する行間によって確定された事実として浮かび上がってくるのです。