美しい国へ

美しい国へ (文春新書)

美しい国へ (文春新書)

基本的にこの本、論文ではなくって随想録みたいな感じなんですよね。まぁですので具体的な政策論争挑みたくって鼻息荒くして読むと肩透かしくらいます。

でもね、この本が出たのって首相就任前のもう次期総裁が確実視されていた頃で、そのような時に出したと言うことは、あえてこのような自分の思いを国民に伝えようとしたからなんだと思います。そこら辺がすごく生真面目だなぁなんって逆に感心したりもします。ちょうど同じ時期に「昭和史・戦後編」を読んでいて安部さんのお祖父さんにあたる岸首相の政策や考え方なんかを知るにつれ、現在の安部首相の思想のバックボーンなんかを理解出来てとても面白かったです。プリンスとかサラブレッドとか言われてますけど、それに恥じない本当の保守本流なのですね。

まぁそれだけに庶民のことは何も知らないとかいろいろ言われていますけど、そんなことは政治家にとって雑音でしかないのですよ。正しいビジョンがあって、それに導いていこうとする粘り強い力さえあれば。後はどうとでも歴史が評価してくれます。詰まらぬことで足元すくわれずに初志貫徹して頂けるように、期待して今後を見守っていきたいと思います。