- 作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: 単行本
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主な論点は以下;
- 教育について。特に追われる立場である先進国の人々、特に子供たちはどのような教育を施されるべきか。
- 環境について。持続的発展というお題がなされたのも、結局インド・中国などの膨大な人口を抱える国が、今の先進国の人々と同じような生活を送ろうとしている。地球はそこまで耐えられないであろう。
- テロについて。フラット化がもたらしたものは、テロを行う人間に対しても同様の利便性が与えられた。しかし、これは世界のフラット化を逆行させかねない。
日本では2000年頃にデフレ経済と言われてましたが、あの原因は実は中国がフラットな世界の一員として参加してきたからではないでしょうか。よく言われているように小泉政権によって格差社会が発生したということになっていますが、単に小泉さんは世界の流れを見極めた上で、適切な日本のあり方を示したに過ぎないような気がいたします。この本にもありますが、それは痛みを伴うものなのです。問題はセーフティネットがあまりきちんと機能していない点ですね。
「大国の興亡」では日本は次を担う登場人物でしたが、「フラット化する世界」では、単なる1登場人物にしか過ぎなくなっています。しかも脇役になりつつある。これからを生きていく上で、かなり必読の一冊だと思われます。