ブラック・スワン[上]

装丁が綺麗ですね。特に上下合わせて並べた時は尚更映えます。

で、中身。「ブラックスワン」黒い白鳥です。そもそも白鳥なのに黒いのは可笑しいだろうと言うツッコミは置いておいてずーっと長いこと白鳥は白いと信じられてきました。でもいたのです。オーストラリアに。黒いのが。

ここでは今まで信じられてきたことの反証としてのブラックスワンの可能性を考えていきます。筆者は常に懐疑主義の立場を取ります。「当たり前」と「今までずっとそうだった」がいかに脆く崩れやすいものなのか。特に七面鳥の例はわかりやすくって面白かったですね。毎日エサをもらう度に七面鳥は思う。
なんって親切な人に面倒を見てもらってるのだろうと。感謝祭の前日、思ってもみなかったことが起きるまでは。そう、それは今までに思ってもみなかったたった1回切りのこと。そして破滅。

それこそがブラックスワンなのです。その存在1つで全てが覆される。しかし我々は経験主義に縛られてブラックスワンの可能性を全く考慮しようとはしないのです。

でも、黒い白鳥はいるのですよ。