アルファを求める男たち――金融理論を投資戦略に進化させた17人の物語
- 作者: ピーター・バーンスタイン,山口勝業
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: 単行本
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そこに辿り着くアプローチは様々で、ボラティリティに注目したり、アセットアロケーションで転換したり、ポータブルアルファとして別のものに移転したりするわけです。
ここに出てくるような高度にテクニカルな話を読んでいると、個人投資家が行っていることなんって本当に低次元のお遊びに過ぎないんだなって思えてきます。ここまでの時間と頭脳と資本を駆使しても、ほんの数ポイントのベーシスを取ることを目指しているわけです。逆に言えばそれだけのギリギリの世界で戦っているわけです。それに対して、なんの考えもなく丁半バクチに過ぎない個人投資家が勝てるチャンスは本当に運以外のなにものでもないのでしょう。
冒頭では最近流行の行動ファイナンスについての記述もあります。行動ファイナンスの動きは、より市場の歪みを産み出し、アルファの動きを強くする。つまり非効率性を高めるのでそれ自体が効率性市場主義者の反証となるわけです。なかなか面白い議論ですね。