- 作者: 池田信夫
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2011/09/29
- メディア: 単行本
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で、出だしからなんだかイノベーションに関する理論が全くないと断じており、初っ端からハードルを上げてきた感じがして期待が高まっていきます。確かに今までイノベーションといっても、上手くいった人の事後分析であって、必ずしも理論だっているわけではないのは確かでしょう。
で、本書ですが、結局のところ先生の主張を上手く補筆するような論説を引っ張ってきて、こんな論説があるからこうなんだよと、なんだかいつもの先生のブログの記事と同じような体裁なんですね。本当に最近の流行の本とかから引っ張ってきてるので勉強熱心なのはわかるのですが、一般向けの本が多くて、経済学者が書いたような論文からの引用が少ないのが気になります。
そして、重要なことは本書で述べられていることはイノベーションの個々の要因、もしくは影響を及ぼす事象であって、イノベーションそのものではないという気がしてしまう点です。本書を読んでもイノベーションそのものはわからない。個々の要因をまとめあげるフレームがないので、結局なんだったんだろうなというのが読後感として残ってしまうのは残念ですね。