マーケティング脳 vs マネジメント脳

マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?

マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?

なんとはなしに読み始めた本書ですが、なかなか面白かったです。理詰めで論理的に導きだされたマネジメントからの方針は、時に「???」な結論を生みがちでした。なぜそんな結論になるのかと、よく感じることあります。この本を読んで納得いたしました。それはつまり論理の左脳と発想の右脳の葛藤だったわけですね。

コンサル会社にいると、議論は論理的に整っていないとダメな人扱いになります。もう隙間なくきっちりと、かつ整然としています。しかし、大抵の結論は面白みに欠けます。正直、コンサル会社に新規ビジネスは起こせないんじゃないか(さらにそんなことをコンサル会社に依頼するのは大きな間違いじゃないか)と思ってました。まぁありきたりで納得感がある答えは出ます。みんなハッピーにGoと言っちゃいそうな結論。しかしオオコケ。

しかも、一番重大な問題は自分が右脳が強い人間だとずっと感じていたことです。そうか、だからいつも仕事で違和感があったわけですね。なんだか非常に納得してしまいました。

そんな訳で、本書には右脳的思考と左脳的思考の差について25項にも亘って、事実をもとに考察しています。たいていはマネージメントが勝つので、残念な結果ばかりが並んでいますが、その理由としてきちんと確認してみるのは面白いです。意外とトヨタはブランド構築にあたって、本書的には優れた解を示しています。その反対にイマイチだとされるのはフォルクスワーゲンアウディなのですが、こちらはブランディング的には落第生ですが、現状としては売上絶好調な訳で、必ずしも本書が正しい訳ではないのでしょうか?