- 作者: 齋藤ウィリアム浩幸(さいとう・ウィリアム・ひろゆき),William Hiroyuki Saito
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/10/04
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
半分は著者の半生記です。これはこれで面白いですが、主題とはあまり関係ありません。多少はあるのでしょうけども。つまり、経験としてアメリカにあってないものを論じてみると、今の日本に足りないものが、”チーム力”なんだそうです。
チーム力とは、実現しようとしている目的のために個々のメンバがそれぞれの役割を全うしながら協調してことにあたる力ということです。そして、日本人は意外なことにこのチームでことを成すということが全く出来ていないと。何かを成すために積極的な行動に出ることをしないというのが筆者の認識です。
2000年ぐらいから、成果主義という名の元に変な個人主義が重要だという認識が広がったのが原因かもしれません。結局社会や組織が守ってくれない以上、自分を守るのは自分という極端な自己主義が蔓延してしまった結果だと感じます。その結果、個人に対する評価が第一となってしまいました。自分の属するグループやチームのパフォーマンスこそが求められるべきなのですが。
それと共に、SOX法や法令遵守に始まった様々なガバナンス強化が逆に積極的な個人の動きを封じる結果となっているような気がします。本書にも官僚が規則だからと抵抗する一件が記載されていますが、現状そのような決まり事をやぶると、後で何を言われるかわからないのです。それはもう、目を皿のようにしてそのようなことを突っつきたがる人が山のようにいる訳ですから。自分を守るために積極的に何かをやるというインセンティブが皆無となるのは自然の流れかもしれません。
しかしです、組織として成果を挙げるには著者が言うようなチーム作りというのが欠かせないのでしょう。そのようなチーム作りを上手く行える人こそが会社のリーダーとして適しているのは間違いないでしょう。