勝ち続ける意思力

ちきりん氏絶賛推奨中の一冊です。確かにそれに違わぬ内容と思います。特にちきりん氏のようなエリートコースまっしぐらな人にとって、この手の自力で勝負してきた人(男性)は余計魅力的に映るのかもしれません。

本書題名にもある通り、「勝ち続ける」ための努力の仕方については、日本人は特に弱いように見受けられます。先の大戦しかり、最近では電機業界しかり。油断して敵を侮るところ、成功した今までのやり方で十分だと思ってしまう。しかし、著者はそれを回避すべく過去の成功体験を常に捨てにかかっています。常に新しい何かを会得する努力を怠らない。猛烈な覚悟ですね。しかもそれを習慣化してしまっているところが凄いです。例えれば剣豪の極地とでもいうべきものでしょうか。なんだかわからないけど、強い。シビレマスね。

子育て中の自分としては、子供に伝えるべきこととして何を伝えるべきかということに悩みます。自分の好きなことをやる続けることを貫かせるべきか。そんな尖った生き方は、著者のようにそれを貫き通す強さがないと潰れてしまうことになるでしょう。よく言う「いい大学、いい会社」という選択は決して凡百にとって間違いではないとも思うのです。人生、食うに困らぬようになって欲しいし、結婚して子供を育てるていって欲しい。勝ち続けるためには様々なことを捨てて生きなければならないかもしれないのです。しかし、その覚悟を見定めることが、親として大切なのかもしれません。

文章を読んでいたら、なんだか尾崎豊の本を読んでいた時のことを思い出しました。理解されずに孤独で一人戦ってきた男の思い、戦い続けることへの意思、常に自分で考え、自分の意志と基準で物事を達成しようという気概。そんな男が、もはや自分より年下であることに感慨を覚えつつ、自分の人生をもう一度振り返ってみたいと思うのでありました。