坂の上の坂

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改めて見てみたら本書の副題は「55歳までにやっておきたい55のこと」となっておりますが、この後の文庫本では「30代から初めておきたい55のこと」となっていました。既に終わった50代に訴えるのではなく、30代を煽った方が売れ行きが良いとの判断なのでしょうか。端的に言ってしまえば、本書は引退までに何をしておかなければいけないかを筆者の経験をもとに綴ったものということになるでしょう。

今時55歳で定年を迎えるような幸せな人はまずいないでしょうが、新卒から働いて55歳になるのと、55歳から平均寿命までの期間はほぼイコールだということです。これは驚愕ですね。昔は55歳まで生きれば、あと余命何年とかいうくらいだったのでしょうが、今は現役時代と同じくらいの余生が待っているというのです。これは大変です。

で、55のこととなるわけですが、改めて章立て読み直してみると上記の視点で本当に意味のあることは実はあまり書いてなかったりします。あれれ?まぁ会社以外でコミュニティ持とうとか、奥さんと仲良くしておこうとかそんな感じです。確かに会社以外でのコミュニティというのは大事です。っというかいろんな関係性、繋がりを持っているというのは、人生を豊かにしてくれると思うからです。特に自分が住んでいる地域との繋がりとか。

結論としては、著者の経歴とか、考え方とか、生き方とか、いろんなところで見聞きしていたので、特段目新しいことは書いてなかったです。ポプラ社風のインタビュー本なのでしょうか。