リバースイノベーション

リバース・イノベーション

リバース・イノベーション

リバースエンジニアリングではありません。リバースイノベーションです。

今までの商品やサービスの流れというのは、先進国から新興国へ、更に新興国に行く場合は、先進国での低コスト版を提供するというのが、一般的だったかと思います。低コスト版でも往々にして、新興国では手が出せない程の価格帯だったりします。この本では、そんな流れに異論を唱えています。

端的に言ってしまえば、現地開発をすること。現地にチームを置き、現地のニーズに適した商品開発を行う。現地スタッフは、現地のニーズをきちんと汲み取れるようなマーケティングが出来なければなりません。当然価格帯も現地で手に入り易い価格帯を目指します。簡単に言うけど、これが大切。そのための開発チームは、本部から知見のあるメンバーを送り込みます。どうにかして、低コストで、現地のニーズを満たす商品を開発出来るかが鍵です。これがイノベーションなのです。これが、逆に先進国に戻って来た場合、意外と使えることもある。もしくは、他の新興国でも活用出来たりする。

つまりはマス狙いなのです。低価格でも、新興国の人口は、先進国と比べて圧倒的です。そこに対する普及率で勝負するのです。そしてやがてそのような国々の、生活レベルが上がって来た際には、現地での圧倒的ブランド力が構築されているのです。これが重要。

本書でのライバル企業は現地の新進企業です。それらの企業では、もはや低価格など当たり前。その仲で、どのような機能を盛り込んでくるか。先進国の企業があっと驚くような考えで、低コスト商品を産み出して来ます。それと戦って行かなければなりません。往々にして、あるのが先進国企業の商品は高付加価値なので、多少高くても買えるような富裕層を狙えばいいという考え方。これは大間違いですね。やがて駆逐されます。やはり、マスを取った方が強いのです。

ちょっと気になったのが現地での開発、つまり地産地消こそが重要で、一つの商品を世界中でバラまくような戦略は通用しなくなっていくと記載してある点でしょうか。アップルとかどうなんでしょうねとツッコンでみたくなりました。

ただそれにしても、学ぶべき点は多いと思います。言わずもがなの日本企業。たまに現地開発の話も聞こえて来ますが、きっとこれの真逆をやってるのではないだろうかと思ってしまいます。本部縦割りで現地主導など以ての外なんだろうなぁ。きっと。