世界を動かすプレゼン力

日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力

日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力

東京オリンピック招致を勝ち取った日本チームのコンサルティングをされていた方の著作です。日本が招致することが出来たのは間違いなくこの方のお陰だと思っていたので、本が出たのを見て読んでみました。

本書は3部構成で、まず招致本番プレゼンの全文とその解説。それからプレゼンにあたっての全体戦略。それから著者の経歴とか考えとかエッセイみたいなのが続きます。

招致文の箇所はなんだか読んでいて感動してきますね。著者も言う通り、我々日本人は確かにあのプレゼンのように自分をアピールするということをまずしません。それだけに、きちんと自分の姿を相手に伝わる形で世界に向けて伝えたということに感動を覚えたのかもしれません。

あのプレゼンも全員が一つのストーリーを紡ぎだすように、戦略を明確にして個々の役割を与えられていたことが、とても重要であったことが本書を読むことによってわかります。人選から話す内容、順番等全てが意図されていたことなのです。たんに「おもてなし」の言葉だけが響いたわけではないのです。そういう意味で、やはりコンサルとして依頼出来たことは、重要な勝利の要因であったと思います。やはり日本人は戦略は弱いのですかねぇ。個々の与えられた役割をきちんとこなすことには長けているのですが。

これから本番までの長い準備期間があるわけですが、本書でも開会式が重要だと述べています。ここでプランナーを誰にするかがまた重要になってくるわけです。まだ日本では知名度があっても世界的には無名な人を担いで、へんなことにならなければ良いのですが。。。長野オリンピックの時もそうでしたが、こういうのこそ企画コンペでもすればよいのに。