頭のよい子が育つ家

頭のよい子が育つ家 (文春文庫)

頭のよい子が育つ家 (文春文庫)

ちょっとキャッチーな書名ですが、内容は真面目です。どのような生活環境が、子供達の成長に適しているかということをフィールドワークとして抽出した結果が本書の答えとして記載されているのですから参考になります。ちなみに対象は中学受験となっているので、それ以降の時期は別の答えがあるかもしれません。

本書はそれらの参考事例が前半で紹介されており、後半がその教訓等を取りまとめたものとなっています。まず教訓の第一として言えるのが、一人一部屋の子供部屋は不要だということです。子供はまず自分に与えられたその部屋で勉強をすることはないでしょう。これは自分の経験からも納得です。単なる荷物置き場になってしまうだけですね。単に篭ってしまうだけにもなりかねません。そして大切なことはコミュニケーションをしっかり取るということです。そのための仕組み作りをどうするか。更にコミュニケーションとして考えると、いろんな刺激が想起されるような環境ということも重要になってきます。

勉強机は必要ではなく、いつでもどこでも出来るようなノマド状態を推奨しています。誰かが何かをしているのを感じられる場所が落ち着いてよいみたいですね。そして回遊出来るような流れがある間取りがよいとのことですが、これはそれぞれの住まいに依存するので、なかなか難しくはありますが。

私の理想は事例の最後に出てきていた、田舎の一軒家との往復生活ですね。こんな生活を送りたいものです。