JTのM&A

JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書

JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書

タバコは嫌いですが、JTは日本のエイクセレント企業として尊敬しております。マーケティングブランディングを古くから実施していた企業として、最近では本書でも示されているように、海外M&Aの成功企業として、会社人にとってとても良い事例となるのです。

組織や人、その中で日常なされている業務にはそれほど差がないように思えても、結果として産み出される成果には大きな違いが出てくるものです。それがどのような営みが展開されているのかを知るのはとても重要なことだと思うのです。

本書はそのM&Aの中で最前線で指揮を取られた方が、その術を綴ってくれています。自分が感じたのはやはり、組織のリーダーとして、方針表明をプロアクティブに出していけるというのが、改めて素晴らしいことだなと感じました。明確な方向性付けを行うというのは目の前の業務に流されがちな一般の社員に取って、日々のプラスアルファをもたらす原動力となり得るものだと感じるのです。

日本では、タバコの値段も一箱千円になるのもきっと時間の問題なのでしょう。日本での売り上げが低下し、いずれJTIの比率の方が高くなっていくのでしょう。ギャラハーの買収以降、個別市場での小規模な買収を繰り返してますが、電子タバコなど、新たな流れも起きつつあります。きっとまた大きなM&Aを展開することもあるでしょう。いずれこの優秀な子会社は日本の出自を超えて、飛躍していくことでしょう。そしてそれは一つのエクセレントカンパニーのあり方として、素晴らしいものだと思うのです。