LIFE SHIFT

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

人生生き抜いて行くには戦略というものが必要で、それがあるなしでその後の人生が大きく異なると思います。自分にとっては、社会人成り立ての頃に読んだ「金持ち父さん、貧乏父さん」「ゴミ投資家」シリーズがとても良い影響を与えてくれました。その後もいろんな本から戦略を考える上での示唆を様々受けて来ましたが、本書はまた一つ大きな影響を与えてくれました。

簡単に言えば、平均寿命が延びていく中で労働現役時代も延びていきますよ。ということです。最近では日本でも老人の定義を70以上とか、75以上とかにするとか言われていますが、最早それは世界的に避けられない情勢になったということです。単に年金を誤魔化すためだけに言われているのではなく、実際の健康寿命から見てもそれで耐えられるようです。確かに今の年金が設計された頃から比べれば寿命は大幅に延びている訳で、定年は寿命10〜15年くらい前となるのは致し方ないかもしれません。ただそんな歳までまともに働けるか非常に疑問ですが。

その中で、本書で提唱しているのがマルチステージという考え方です。今は3ステージ、学校、就業、老後ですね。マルチステージ生活では主に学校と就業の生活が交互に組み合わさります。また、就業といってもフルタイムかパートタイムか、もしくはNPO等でのボランティア活動等いろんなバリエーションが考えられます。っということは1つの職種だけではなく、全く新しいことを始めることも考えられる訳です。既に過去のものとなりつつありますが、一つの人生で一社に添い遂げるということはあり得なくなるわけです。

これらをどう考えるか、戦略をあまり考えたくない人達には全く困った問題ですが、自分にとってはとても面白い人生を歩めるという啓示でした。人生でいろんなことをやりたい、今の仕事には満足していて楽しいのだけれど、他のこともしてみたいと考えている人間にとってはチャンスが広がるというものです。最近政府は副業解禁みたいな制度を推進し始めています。これはもしかしたらこのマルチステージを見越した動きなのかもしれません。それはとても慧眼で素早い動きですね。つまり現役時代に次のステージの準備が出来るようになるのです。また労働時間短縮活動も、一つの会社、労働から解き放たれて、様々なことに目を向けるチャンスだと思うのです。ただ早く帰ったからと言って、飲んだりパチンコ行くのでは無駄、浪費極まりないことです。

人生でお金がかかることといえば、子供と家と老後費用です。子供と家はもうなんとかなります。老後細々とでも収入を得られる算段さえ立てられれば、意外と今の年金不足からくる不安も解消され経済活動も積極的になりえるかもしれません。確かに引退までの期間が更に10年20年延期されるかと言われればとても辛いのですが、老後単に自己満足の趣味に浸るだけであれば、何かを見つけて働き続けるのは悪くないと思います。そのための何かしらの準備を今から実施していけば、十分間に合うのです。