ヤバい社会学

ヤバい社会学

ヤバい社会学

社会学を専攻している学生であった著者が90年代シカゴのギャングリーダーと仲良くなった時の物語です。日本であればヤクザの組長と仲良くなったお話と言えば良いでしょうか。今どうなってるかわかりませんが、あの頃はまだギャングという組織が残っていて、どんぱちカチコミやってるし、クスリや売春でしのぎを稼いでいたりしています。よくそんな人達のところへ単身乗り込んで仲良くなれたものです。雰囲気だけでも近付いてはいけないエリアなのですから。

ギャングとはいえ、公営住宅を根城にそこをほぼ占拠する形で牛耳っているのも凄いものです。しかも彼らはそれをコミュニティを維持していると公言して憚らないのです。やはり昔のヤクザと言ってることは同じなんですかね。ヤクザも日本ではその存在意義が薄れてきて、社会的に抹殺されようとしていますが、きっとアメリカでも同じような状況になっているのでしょうか。

公営住宅のコミュニティにはギャング以外にもいろんな人がいて、確かに観察するには飽きないです。日本でも貧困ビジネスなんって言われたりしますが、貧乏人を相手に汁をすする人達というのもこれまた存在するのです。しかしそんな中でも人は生きていて、ある程度は人生を楽しんだりしているのです。