80's

80's エイティーズ ある80年代の物語

80's エイティーズ ある80年代の物語

橘氏の自伝です。今までの著作の中で、なんとなく伺われていた背景を知ることが出来て一本の線で繋がった気がしました。初期のゴミ投資家シリーズで見せた内容はシロウト向けなのに、全くシロウトっぽさのない記述も元々出版業界にいたのであれば、納得です。しかも中小出版社に在籍してたような記載でしたが、単にフリーランスに近い形でいただけで宝島社に関わっていたのであれば、また違うというものです。今ではインターネットがあるのでいろんな裏情報も知ることが出来ますが、本書でいう80年代では宝島社の雑誌はアングラ関連ではバイブル的に強かったわけですから。

最近では哲学とか脳科学の最新動向など社会科学全般知見が深い著作をされてますが、本書を読んでそのバックグラウンドを知るにつけ、納得です。ポストモダンとか齧っていたのも、シニカルで人生を達観されているような雰囲気も全てが結びつくのでした。

しかもなんとオーム真理教への取材なども結構されてたのですね。Windows95の発売とインターネットの勃興と共に氏の80年代が終わったというのは納得出来るストーリーでした。