苦しかった時の話をしようか

 

 USJの再建に多大な功績を挙げた方の著書です。なんとなく御名前を存じており、こんな本書くのかとふと読んでみました。

 

もともと就職活動を始めようとする大学生になった我が子に向けた、個人的な内容だったということですが、なんとも素敵な想いが籠もった一冊だと感じました。親であれば、子供に対して想うであろう希望と期待、信頼感、社会へ旅立つ際に感じる迷いにエールを送る気持ちなどが、読んでてとても伝わり胸が熱くなります。

 

筆者の主張は簡単に言えば次の通りで、自分の得意なことを探れ、それに近い職能を選んで、その能力を伸ばせる会社に就職することです。ただ就職はサイコロ投げみたいなものなので、入った会社が最高だと思ってキャリアをスタートさせる。就職において、完全は選択ミス以外は正解ということです。これにはとても同意ですね。自分も氷河期世代なので思い通りの就職が出来たわけではなかったですが、結果的に最高のキャリアを築くことが出来ました。とにかくスタートを切るということが大事で、完璧な正解スタートなんって必要ないのです。

 

中盤は資本主義がどういうことかの説明です。まぁつまりサラリーマンで稼げるのは限度があって、資本を持つ側に回らないとメリットないよってお話。筆者もそれに気付いて、会社を立ち上げたわけです。でも思いを形に仕事が出来るって幸せですよね。最近ニュースで見ましたが、沖縄のテーマパーク構想はぜひ実現させて欲しいです。

 

そして、筆者の専門であるマーケティングの考えを用いて、自分の職能をどうブランディングしながらキャリアを築いて行くかという話。我が身を振り返れば、ある狭い分野でプロと言えるかもしれないけれども、需要が少なくて悩ましいものです。独立して仕事取るってことも出来ないしなぁ。

 

後半は題名にある通り、筆者の苦労話3連発です。どれも中々強烈です。しかしそれに向き合って闘ってきたからこそ、今の筆者があるのですね。キャリアを築くにも並大抵の努力ではいかないということなのです。

 

そして最後の章の子供への想い。本当に同意です。僕もいつか旅立つ我が子に同じように言葉を掛けれるように、誇れる仕事をしなきゃなぁ。