1兆ドルコーチ

 

 帯に書かれてますが、スティーブ・ジョブズエリック・シュミットラリー・ペイジといった名だたる人々のコーチを引き受けていた人がいるといったら驚きですが、実際にそんな人がいたんですね。しかもグーグルでは単に個人ではなく経営陣というチームをコーチして企業を導いていたというのだから、二度驚きです。本書はその「ザ・コーチ」ともいう人を偲んで、書かれたものです。そうなのです。もう、コーチは亡くなっていているのです。なので、自伝ではなく、過去何らかの形でコーチングを受けた方々からのインタビューをもとに描いた本なのです。そして、何が凄いかっていうと、この本はそんなコーチがコーチ足り得た真髄を抽出しようとしている点にあります。コーチが携わって、経営チームを正しく導いたからこそ上手くいっていたという思いがあるからなのでしょう。実際、Googleにしろ最近のシリコンバレーの会社から一時期の勢いが見られなくなっているような気がするのは気のせいでしょうか。

 

本書を読んでいるとコーチがコーチたり得たのは、コーチの個性に由来するところ大に感じるので、本書の目的は達成しつつも再現は難しそうだということは非常に残念なことではあります。