新エリート教育

 

タイトルだけ見るとエリートってなんだよってちょっとお高く止まっているように思ってしまいますが、左にあらず、これからのエリートとはなんであるかを示しながら、今世界で広がりつつある新しい教育の在り方を紹介しつつ、今後の教育について論じています。

 

本書を読んでいると、自分が受けた2,30年前の教育とは全く異なって来ているんだなぁと改めて感じました。昔が単純なる詰め込み教育といえばそれまでですが、今の教育はそんな簡単なものではなく、いろんなことを複合的に教えなければならないので、本当に先生方は大変だなと思ってしまいます。子供の入学式で久しぶりに学校というものに入った時、担任を持っている先生以外の先生の多さに驚きましたが、それもそのはず、時代の要請により学校というものに求められることが多種多様になり、一人の先生のキャパシティを超えた専門性を求められているということなのでしょう。

 

本書の内容は世界の最先端の動きを紹介したものではあるのですが、その思想は既に一般公教育にも導入されつつあり、大学入試改革などはその典型的なものとなっています。コンピューターが普及し、単純に知識を知っていることは無用、それをどう当てはめるかといった仕事もAIに代用されていくと言われている世の中で、子供達が将来どうすれば生き抜いて行けるかを教えていかなければならないのです。

 

そしてそれは心身頭の全てを育むホールチャイルドアプローチという形で紹介されてます。なんだ、それって今までと同じじゃないかと思うところもありましすが、一つ加えるなら「デザイン思考」によるクリエイティビティが更に重要性を増しているように思えます。

 

そしてその先には、社会課題を解決するための起業といった新しい時代のキャリア構築というものが想定されているようです。単純に会社に入って、働くといった我々の時代からは想像も付かないような高度なことを求められる時代になってきているようです。いやぁ、大変だ。