クアトロ・ラガッツィ

 

 

 

 

 天正少年使節団の話ですが、どちらかといえば戦国期のキリスト教布教の歴史がメインです。上下巻でなかなかのボリューム、しかもストーリーに流れが見えにくいので読むのになかなか難渋します。それでも著者は大学教授されていただけあって相当な資料を読み込んで、著述されているのがわかります。本人曰く小説ではないということでしたが、歴史書ってことでしょうか。

 

でもキリスト教布教という側面から歴史を覗いてみると、意外と詳しく知らないことばかりでした。イエズス会が日本でどのように布教進めようとしていたか、戦国大名キリスト教を保護しようとした理由、秀吉以降のキリスト教への迫害、そして天正少年使節団がヨーロッパでどれだけ熱烈歓迎されていたか。

 

多くの宣教師たちの努力にも関わらず、日本での布教は徒労に終わることになります。しかし、その情熱とそれを受け入れた日本人信徒達の信心には感慨深いものがあります。