AIに負けない子どもを育てる

 

「教科書が読めない子どもたち」に続いて、本書を読んでみました。話の中心はAIで東大に受かる「東ロボ」くんから、文章が読める「読解力」とは何かに研究が広がっていきます。そしてそれはなんと検定という形で定型化されています。本書でも付いているので自分のレベルがどれくらいのものなのか試すことが出来ます。

 

検定では「読解力」というのを複数のタイプ分けして、パターン化しています。やってみるとなるほど、今まで自分が苦手と思っていたジャンルがなんでだかわかったような気がします。自分は理数系が苦手なのですが、本書にある「具体的同定(理数)」の点数が悪かったです。内容は理解出来ているのですが、その前提が複数考えられ、同定出来ないのです。わからない。今までの人生においても、他人が当たり前に所与のもののように認識していた前提が自分には複数考えられ、どうしてもどの前提で語られているのか理解出来なかったのです。なので数学物理なんかは非常に辛かった。当たり前のように語られて省略されている前提が、自分には欠如しており、その先に進めなかったのです。

 

とまぁ、なんとなく感じていた自分の欠如には気付けたわけですが、ではどうすれば克服出来るかについてはヒントのみで本書では語られていません。まだ研究が及んでいないのか、筆者にそれを解決するところまで研究する気がないのか。多分後者なような気がしますが。検定の結果をもとにどのような能力があるのかまで同定出来るようですし、学校の偏差値にも絶妙に当てはまる(学習の能力とは、つまり学校の教科書を正しく理解出来ることが重要)するということで、ぜひ読解力を高めるトレーニングを子供達にさせたいと思うので全国の教育関係者、親御さん達の心の声ですが、その点はなんかちょっと消化不良な形で終わってしまってます。多分日々音読とか教科書をきっちり読ませるといったトレーニングが必要なのかなぁ。

 

その昔中学の時に、天声人語を日々要約してれば、国語の能力が上がると塾で言われましたが、面倒でやらなかったです。意外とあれはとても真っ当なやり方だったのかもしれません。