この部屋から東京タワーは永遠に見えない

 

普段あまりTwitterは見てないのですが、本書の存在は気になってました。筆者のことよく知らなかったですが、30代の初めなんですね。まだ若いのにこんな斜に構えた文章書くなんって、よっぽど世知がない思いをして来たのでしょうか。本書の登場人物がアラサーだったというのもそれが理由なのかな。

 

初めの方は面白く読んでましたけど、読み進むにつれて悲しくなってくるんですよね。なんというか物事の価値観が他人や物の評価、他人からどう思われるかだけに絞られていて、病んでます。まぁ本書はそんな病んだ価値観をあからさまにすることで、笑いを取ろうというスタンスなのかもしれないのですが、それも続くと痛々しい。。。多分本書に出てるような価値観に生きている人達はどう足掻いても幸せにはなれないような気がします。

 

更に悲しくなるのが、登場人物ほとんど全員先がなさそうに思えること。結婚どころか彼氏彼女すらいなそう。これは辛い。コミュ障拗らせお一人様人生をこのまま生きていくのであれば、長い長い人生他人の評価を気にしがら生きていくのはしんどいでしょう。でも登場人物は基本的にみんな相応のスペックはあるのですよ。でも他人と比較し、羨んでしまったら、無いものねだりを続けるしか無いのです。

 

SNSが単に承認欲求を煽るだけのものでしか無いのなら、罪深い物ですね。