落合正勝 私の愛するモノ、こだわるモノ。

落合正勝 私の愛するモノ、こだわるモノ。

落合正勝 私の愛するモノ、こだわるモノ。

ショック!なんと亡くなられていたとは。しかも一年も前に。この本はそんな氏の最後の遺作ともいうべき本です。

きっと日本の男性で、服装に多少なりとも気を使ったことのある人でしたら直接・間接問わず影響を受けているのではないでしょうか。スーツや靴など、一通り種類を知って買い求めてみると、だいたいどんなものかわかった気になっておりましたが、大間違いもいいところでした。まだまだレベルが低すぎました。この本を読んでみて己の未熟さ加減を知らされました。

まずは服装というもの対する、完全無欠たる哲学から違います。書かれている文章を読めば、この厳格具合がハッキリとわかるのではないでしょうか。言葉の選び方にすらポリシーを感じます。全てのものに対して、こうあるべしという哲学というのは、そのことに対する高度の知悉から生まれてくると思うのです。そうでなければ自信を持って断言出来ないでしょう。こういった意味でここまで”装い”というものに金と手間隙掛けて追求し続けることが出来たというのはとても幸せなことだと思います。遅まきながらご冥福をお祈りいたします。