主に中高生向きの本ですね。自分も高校の倫理の授業でまず脳の動きについての本を読まされたのを思い出しましたが、同じような意図で書かれたものだと思います。つまり揺れる心の正体がどのような身体の動きによってなされるものなのかをわかりやすく解説し、その真っ只中で感情の動きに適応するのにアップアップな中高生に、その理由と対処方法などを教えてくれるものです。
不安や孤独、鬱々とした感情は実際には脳の神経の働きによるものなのですが、それらがなぜそのような動きをするようになったのか脳内の神経物質の動きが原因ということ、更に言えばそういう動きをする大元は原始時代からの人類の生存のための必要性に迫られて体が進化した影響によるものだということがわかります。人類が猿から原始人になるまでに何万年という過程を経ていることを考えると現代社会の生活などせいぜい数百年なわけで、まだまだ体の変化が追いついていないのは当然なのです。人間の体が現在の生活に本当に適用するようになったらどのような形態になるのか興味が深いところですが、まだそれでも何千年という時間が必要になるでしょうし、その頃に人類や地球がどのようになってるかも不明なので、まぁ当分の間はこのメンタル不調とうまくやっていきながら生きていく他ありません。