EV推進の罠

 

本書は2021年刊なのですが、その頃からまたEVを取り巻く状況がガラリと変わって来ているのに驚かされます。たった2年とかそれくらいなのですけどね。2021年といえば、もうこれからEVしかあり得ない、エンジン車何って作っているのは邪道、そのための道筋を出していない自動車会社は悪といった風潮でした。トヨタなんかそのいい例ですね。その後BYDが優れたEVを売り出し、昨年の中頃まではEV万歳確定だったと記憶しています。

 

その流れが何となく変わって来たのが、昨年後半辺りからでしょうか。EVに突き進んでいた欧米の会社のEV売れ行きが思わしくないというニュースが出てくるようになりました。EVが自動車の売れ行きのメインと言われるようになった中国でも純粋のEVではなく、実はプラグインハイブリットも混みだったりしてEV市場のバラ色の未来に疑問符が着き始めたのが2024年初頭の状況です。状況はかなり変わりましたが、本書を読むとその主張が正しかったことがわかると思います。一方日本政府のスタンスが変わったのかはわからないですね。欧米の流れにいい顔したいだけで何も考えない政治家達がどのような方向性を向いているのか。

 

あと1、2年先でも良いので本書の総括と更にその後の将来見込みなど出してくれたら面白そうでした。