タイトルにあるLIBOR廃止ということは知っていましたが、それがどういう経緯でなんでそこまで苦労して廃止することになったのかまでは詳細知りませんでした。その経緯から影響範囲まで、なかなか複雑なので、金融に関わる人間であれば一読しておく必要があると思います。
今まで色々改革をしてきたにも限らず、不正が行われたこと、その結果金利呈示行には何か問題が起こった際の罰則が厳しくなり、何のメリットもなくなったこと。その結果撤退する銀行が増え、それがさらにLIBOR崩壊という悪循環に陥ってしまったわけですね。その最終トドメを刺したのが、東京市場での不正ということで、これまたなんだかなぁという感じです。まぁ東京くんだりまで来る外国人はロクなのがいないということでしょうけど、金融庁の監督が及び腰というのも原因の一つでしょう。
本書の締めにも記載したある通り、LIBORはグローバリズムの象徴だったのかもしれません。LIBORがなくなるということはBREXITと共にロンドンが金融の主導的地位から落ちることは間違いないのでしょうが、意外や東京ももうだいぶ不味い立場にあるわけですね。なんだかんだ東京を国際的金融センターにしようという試みをたくさん見てきているように感じていたのですが、本書に記載してある通り、このままTIBORが円の金利指標になるというのはなんとも頼りないもので、このような状況では国際金融センターなど夢のまた夢なのでしょう。