金利と経済

金利と経済―――高まるリスクと残された処方箋

金利と経済―――高まるリスクと残された処方箋

経済学はその昔さっと齧った程度なのですが、そんな自分にもリーマンショック以降、今までの経済学の想定の範囲を超えた状態にあるのではないかという気がしてました。国内外問わず、いろんな提言があがっているわけなのですが、聞いたことがないような処方箋ばかりでした。しかも医学であれば、初めての処方でも検証の手段や手法はそれなりに定型化されてるのですが、経済学というのは、いきなり処方箋を試そうとするのです。

しかもまぁその議論は仮定の積み重ねであって、確たる結論となるかは神のみぞ知るっというところになるわけです。決してうまく行くという保証があるわけではないんですね。本書もだいたいそんな論調で進むわけです。今でこそ、アメリカは利上げに踏み切ってますが、日本はまだまだマイナス金利でさえ、抜け出せない状態。更にそれから抜け出すための議論はただ単に経済学者のオモチャに過ぎないような気さえしてきてしまうのです。

まぁやはり今の日本は将来への不安で、個人は老後資金の貯蓄に励み、法人は不景気のために貯蓄に励み、資金循環が正常に機能していないのが問題なのでしょうね。っということはいくら金融緩和で金利下げ、いくらジャブジャブにしても効果ないことには変わりがないのでしょう。