人生は、運よりも実力よりも「勘違いされる力」で決まっている

 

「勘違いさせる力」つまりこれって何かというと「ハロー効果」ってことなんですね。これは著者の経験から実力よりも更にすごい人に思わせる「ハロー効果」を会得して人を勘違いに持ち込めば人生有利に何事も物が進むということです。こういった「思考の錯覚」はいろんな種類があって、それらを有効に使うことを勧めています。まぁ確かにSNS全盛の今は更にそれが活用できる時代なのかもしれません。おっさん世代である自分はこういうやり方が「あざとい」と感じてしまい、そこまでしなくてもなぁと思ってしまうのですが、それはやはりおっさんであるが故、生き残るためには確かに必要なスキルになってくるんだろうなと思ったりもします。逆に困るのが、こういうのだけ上手くて実力ない人が重用されたりのさばってたりしがちなところですね。最終的にはボロ出すのはよくあることですが。何であんな人がいるのというのがどこの世界にもいるものです。

人生は攻略できる

 

橘氏の著作は毎度読んでいるのでもしかしたら以前読んだ本の新書版なだけかもしれませんが、読んだか読んでなかったかわからないくらい内容についてはいつもの橘氏の主張そのままのまとめだったので、特段目新しさは感じられませんでした。

 

ただ敢えて言えば読者層の若返りを計っているというところでしょうか。まぁ多分今までの読者層も40代後半から50代に差し掛かり、今頃人生論を語られてもっていう年代になって来たからなのでしょうか。橘氏ならこれからの老後世代に向けた資産運用論などに立ち戻っても良さそうな気がしますがどうでしょう。ただ改めて読み直してみて、中学生ぐらいからこんな本を読んでいたら、色々人生設計に対する考え方が芽生えてよいなと改めて考え直しました。

不老長寿の食事術

 

オートファジー研究されている方が書かれた食事方法に関する本です。ですが、簡単にいうと普通に食べて、出来れば和食が望ましいという凄くあっさりした結論となります。いや、和食が良いなら昔の人はみんな不老長寿になってなきゃおかしいじゃんかというツッコミが頭をよぎりまくってました。まぁこの分野はまだまだ研究途中でわかってないことだらけなんですね、きっと。なんか良さそうだけど、具体的にどうしたら良いかまでは確実に言い切れないくらいなのかな。あとは普通に発酵食品とかポリフェノール、魚とかナッツ類など健康に良いというものを推奨しているので特別なことはあまり書かれてなかったです。

樅木は残った

 

 

 

上中下で各500ページ、合計1500ページの長い物語です。しかし流石昭和の文豪。読み始めるとスイスイ読ませてくれます。分量何って気にならないほどあっという間に物語の世界に入り込んでいきます。

 

本書の題材は江戸初期に起こった「伊達騒動」を題材にしています。以前何かの機会でこのお家騒動を知った時に本書のことを知り、いつか読もうと思いつつようやく読むことが出来ました。政宗以降、仙台藩でそのようなお家騒動が起きるなどとは思いもよらなかったのですが、もしかしたら著者である山本周五郎も同じような感想をもとに本書のようなストーリーを暖めて来たのかもしれません。

 

つまり重臣であった主人公原田甲斐が史実で伝わるような狼藉者ではなく、幕府の圧迫に対する仙台藩の行末を案じて演じた忠義者というストーリーです。これはこれでよく出来ていますね。良過ぎて出来過ぎな人物像という気がしなくもないほどです。しかしそれすら昭和の文豪の筆のなせる技なのだと感じました。多分真実は史実の通りなのでしょうが、本書が真の姿であると思いたくなる一冊でした。

元国税専門官がこっそり教えるあなたの隣の億万長者

 

国税専門官である著者が(相続税の調査でよく訪れてたようです)富裕層の特徴をまとめたのが本書です。ここでいう富裕層とは純資産で1億ある世帯のことのようで、日本では全世帯の3.5%が該当するとのこと。

 

そして大事なことは本書の書名にもある通り、意外と身近な人が富裕層だったりするのです。もちろん土地などの相続で得たものもあるでしょうが、それよりも大事なのは意外と質素ということ。その生活習慣は誰でも取り入れることが出来るという点は見習いたいと思います。とはいえ本書に記載されていることは、これさえやっておけばお金が増えるわけでもないですが、逆にそれほど突飛なことではないので自分の生活習慣を見直すためにも読んでみても良いかもしれません。

人生の一大事はデータ科学にまかせろ!

 

前作の「誰もが嘘をついている」はGoogleのデータなどをもとに様々な知見を炙り出していてとても面白かったので、著者の新作である本書を読んでみました。

 

というところで読み始めたのですが、どうやら本書はいろんなデータを調べた結果ではなくって、他の人の研究結果をまとめたようです。なので中身はデータ分析というよりも心理学だったり経済学だったりの研究がもとになっているのである程度知っている内容とかも含めれていて面白みという意味ではイマイチでした。

 

ということで、著者が冒頭で記載しているような野球におけるセイバーメトリクスの人生版というにはちょっと力不足な一冊でした。

40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか

 

氷河期世代を生きた人々に向けた一冊です。世代ごとに憂鬱は異なるとは思いますが、社会人になってからというもの恵まれた思いということがなかったように感じます。就職は難しく、圧迫面接が流行り、働き出してからもブラック企業長時間労働当たり前、メンタルやられる人続出、働きがい詐欺という言葉も流行りました。新卒で派遣しかなれない人が多く、そのため安定した生活を送れない人も多かったです。無事正社員になれても上の世代がつっかえているので当然出世は遅く、給料もなかなか上がらず。家庭においても共働きが増え、子供が保育園に入れないとか騒いだのも我々の世代。出産休暇、育児休暇の取得が奨励されたもの我々の出産がピークを超えた後でした。いやー、書いてるだけで辛い。

 

まぁそれはともかく、そんな氷河期世代も40代になり、人生の先もほぼほぼ見えて来ました。上がいるから出世しないなぁと思っていたら、下の世代が少ないからの若手登用とかで気がついたら下が管理職に抜粋されることもあり、なんでもないまま人生終わるケースも増えて来ているようです。っというか何者ってなんでしょうね。自分はこのタイトルに惹かれて本書を手に取ったわけですが、明確な答えが書いてあるわけではないです。強いて言えば大手企業の管理職ってことなんでしょうか。で、それになれたら何かあるのかな?自己満足程度しかないですね。我々は何のために生まれて、何のために生きているのか、何者かになるために?でも何だか書いていて昔流行った「自分探し」みたいな気がして嫌にやってきます。

 

しかしそれでも何者かになるって何なんでしょうね。ずっと探し続けるものなのか。50代を迎えている筆者もずっと何者とは何なのか、を探し続けて来ているのだと感じます。でなきゃCAやってお天気おねぇさんやって。その後心理学志て、なかなかハードモードな人生だと思います。多分これからも一生足掻き続けてる気がします。足掻き続けるのが人生なのかもしれません。「読んだ後、きっと救われている」と書かれていますが、そんな簡単な話ではないんですけど、まぁ頑張ろうかなとは思える一冊です。