21世紀の国富論

21世紀の国富論

21世紀の国富論

なかなかに興味深い一冊です。VCとして、シリコンバレーの歴史を見てきているだけにその言葉はやはり重みがあります。

何より、昨今のファンドの勃興。そして、これによって投資が短期的視点のリターンしか見なくなっている現状。意外なことに、そのせいで現在のシリコンバレーでは新しい企業を産み出さなくなりつつあること。現在の企業評価の基本であるROE向上主義への警告。ベンチャーを産み出す要因と持て囃されているストックオプションの弊害。

アメリカの会計制度が全てであると思われ勝ちな日本で、正にその現場でやってこられた方の意見は、とても意味深いと感じました。まぁ、次世代の花形産業の話は???でしたが。それだったらトロンとユビキタスIDで十分じゃないですか。