フェラーリと鉄瓶

フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」

フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」

あの「ピニンファリーナ」社でデザインディレクターまで携わられた方の著書です。いやぁ、これって凄いことですよね。なんたってイタリアデザインの最高峰と言っても過言ではないのですから。

「日本車のデザインは日本人がセンスないから・・・」なんて言っている人をたまに見かけますが、意外と欧州車のデザインを日本人が担当していることが多いんですよね。素晴らしい。たまぁ著者も言うとおりデザインを育成する文化が違うと言えば違うのですが。で、この本なのですが海外で働くことの違いやイタリア人の考え方なんかが、経験を通して描かれていてとても面白いですね。お国柄は長所もあれば短所もあるわけです。

後はデザインに関する考え方です。今のデザイナーというのは、好きな形をただ描けるというだけではだめで、諸所の要求仕様を踏まえた上でそれをきちんと統合した形で纏め上げる力と、その要求を挙げた人達へきちんと還元するコミュニケーション能力が必要となる訳です。確かにあるシステムを創造するということは、いろんな要素要素の組み合わせであるのでそれを如何に上手くバランス良く組合すかということが大切なのですね。