まぐれ

こんなフザけた題名とは裏腹にかなりまともな一冊です。しかも単に金融に留まらず、文学や哲学、心理学など著者の教養が滲み出るほどに様々な分野の話が展開されます。

ただ、そうは言っても基本はまぐれです。いや、確率論です。周りにどんなに優秀で儲かっているトレーダー(会社の経営者なんかも)がいても、その人は単にまぐれでそうなってるんだよ!っていうことなんです。そんなこと直接本人に言ったら激怒されるでしょうけど、確立的にそうなんだから仕方ないです。まぁちょっと儲かるといろんな解説や説明が加えられますが、後付に過ぎないんですね。だって、そんな優秀なトレーダーや経営者の裏には同じように優秀なトレーダーや経営者が敗北者としてたくさん連なっているわけですから。

まぁ悲しいお話だし、やるせないですが現実なんでしょう。ちょっと上手く言ってるからといって永久に上手くいくわけではないのです。いつかは平均回帰して普通に戻るわけです。(つまり上手くいっている人は大抵吹飛ぶ!)

最後にそんな現実を前にして、どのように生きるかということが書いてありますけど、それはつまり振舞いを正しく、尊厳をもって生きるということです。つまり世は不条理、諸行無常ということですよ。