消え去ったアルベルチーヌ

消え去ったアルベルチーヌ (光文社古典新訳文庫)

消え去ったアルベルチーヌ (光文社古典新訳文庫)

ついにプルーストがこの文庫で!さっそく買って旅行のお供に。

今までに目にした評論の中でよく覚えてるのが文章の特異性についてでした。読んでみて納得です。とにかく長い。しかし確かにわかりずらいのだが、読んでみると必要な言葉を、的確な表現で表しているように感じるのです。心の中に浮かんでくる言葉を、文章として表現するのは実は非常に難しいことなんですよね。それをこの小説では実現しているのですよ。それが非常に素晴らしい。何かを思うとき、確かにそういう風に我々は感じているのだと再認識してしまうのです。

小説としては他愛もない恋愛小説ですね。この巻ではずっと主人公の内面からの心理描写が綴られています。現実に起きたことと、心の中の動きが交差していてその違いがわからないくらいです。でもそれが逆に新鮮だったりします。

この文庫で訳されたのは、ナントカ版というものらしく今まで日本訳がなかったからこそ翻訳したのだと。まぁあまりそんなことはどうでも良いので全部訳して欲しかったですね。続き出るのかな?