強い軍隊、弱い軍隊

強い軍隊、弱い軍隊

強い軍隊、弱い軍隊

先日亡くなられた江畑氏の著書です。題名は「強い軍隊、弱い軍隊」として、煽った感がなくもないですが、結論を言ってしまえば強い軍隊とか弱い軍隊とは一概には言えませんってことです。まぁつまらない答えといえば答えですが、まともといえばまともです。

軍隊というものは”戦わない”状態こそ一番有効に活用されているという矛盾した話をもとに、ではどう戦わずにいられるかということを本書では追求していきます。それはつまり抑止力というもので、自衛隊が強いとか弱いとかそんな話よりも、軍隊というものをどう運用していけば効率良く、その抑止力を行使出来るか否かが現代の軍隊にとって大切な話なのです。

本書ではそのためにどう運用していけば良いかという議論を様々な観点から行っています。当然近年では衛星やネットワークを用いた情報戦が重要になってきていますし、配備する兵器のバランスや法整備なども検討の対象となっています。

本書は2000年頃の情勢をもとにしているので、最新の内容で読めたらもっとよかったのですが、それでも軍隊というものの存在を考える上ではとても参考になると思います。