ソロスの講義録

ソロスの講義録  資本主義の呪縛を超えて

ソロスの講義録 資本主義の呪縛を超えて

あのジョージ・ソロスが故郷のブタペストにある中央ヨーロッパ大学で行った講義を元にした一冊です。ヘッジファンドで荒稼ぎしてきた方の本だけに、どんな話が出てくるのかと楽しみにしてました。

が、いきなりしょっぱなから哲学の講義です。認知論とでもいうべきでしょうか、そんな話がずらずら続きます。その後もカール・ポパーに影響された”オープンソサイエティ”と哲学的随想に溢れた一冊に仕上がってます。

正直、鼻息荒い金稼ぎの天才というイメージで読み始めたので意外でしたね。語り口もどちらかと言えば学者っぽいです。自分で構築した哲学をもとに、それを金融の世界に当てはめた結果あれほどのフィードバック(つまり儲け)を得られるとはすごい理論です。

でも残念ながら、なぜか普遍性を感じないのです。トンデモ理論として、真面目に相手にされていないのも悲しいながらにわかる気がしますまぁでもそれであれだけの収益を上げることが出来ているのだから、ないものねだりかもしれませんね。