- 作者: 小室直樹
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2010/05/28
- メディア: 単行本
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氏の著書は読めば、氏が書いたであろうことはどれも一目瞭然です。まず言葉が軽快。泉のように溢れる言葉をそのまま書き記したようであり、関連する古今東西の様々な事象事例がポンポンと想起されたままに、自由に連なっていくような文章なのです。
本書では信長のことを「革新」と評します。特に本書では戦さ、楽市楽座、宗教について、その革新的な業績を記しています。近代日本の礎は正に信長が築き上げたものだと。そして、それにまつわる多くの事例を怒涛のごとく展開していきます。その着眼点の鋭さは読んでいて、なるほどと楽しくも飽きません。
それにしても惜しい方を亡くしました。政治家とか成功した事業家とか、彼をブレーンとして傍にいてもらったら相当に面白かったんじゃないかなと思いますよ。後は研究所とか。そういうのが苦手だったんでしょうかね。それと基本は批評家だったのかな。あれだけの知識で未来を考えたらどのような姿になったのだろうか。誠に残念であります。