経験経済

[新訳]経験経済

[新訳]経験経済

初版は1999年と、もはや古典とも言っていい一冊です。時期から想定されるに2000年代に流行った多くのマーケティング本の走りとも言える一冊ではないでしょうか。

コモディティ→製品→サービスの次に来るものが経験だということです。MSのOS"XP"が経験のExperienceという意味だとわかっていれば、この本の影響もわかると思います。顧客が満足するような”経験”を提供するものこそがこれから先企業が提供すべきものだということです。わかりやすい例だとディズニーランドとかですかね。なにごともテーマパークみたいな感じで考えてみましょうって流れです。

しかし思うのですが、経験サービスというのはもともとコスト高になります。人員の投入量も多めですし。その結果全てにおいて顧客が払うべきお金もビックリする額になります。しかも1回経験してしまえば十分だと思えることも少なくありません。リピーターを得るのは至難の技です。加えて顧客が期待していない経験サービスを、勝手にやられた場合などは単に迷惑千万なだけなのです。ちょっと前に監獄飲み屋とか流行ましたが、イベントとかあっても自己満足なだけで相手するのがメンドー極まりなかったですよ。

そんなわけで経験サービスも個人的には普遍的なものになるとは思えないですね。面白いとは思うのですが。しかし本書は経験サービスだけに留まるだけではありませんでした。次なるものは”変革”サービス。つまり”Change!”ですね。これを手助けしてくれるものがいいんだと。上手くいきますかねぇ。