大衆の反逆

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

久しぶりの硬派な一冊。噛めば噛むほど味が出てきます。内容についても惹かれるところ盛り沢山ですが、何より惹かれるのがこの著者の熱さです。時代の熱気とでもいいましょうか、20世紀前半、両大戦を挟んだあの時代の理念や理想を語る熱さには、今の時代がただあの時代の惰性であるような感じさえいたします。それこそが著者の言う”時代の高さ”というべきものかもしれませんが、特に人文科学や芸術の分野において、あの時代を超えるものは未だ出てきてないように思えます。