闘うプログラマー

闘うプログラマー 上巻

闘うプログラマー 上巻

闘うプログラマー 下巻

闘うプログラマー 下巻

SEなんて仕事をやっているとOSなんってあって当たり前のものと思ってしまいますが、たまにふと、これを開発するのってすごいなぁって思ったりしてます。もう、自分がやっている仕事とは別世界の出来事でなんだか魔法を掛けて出来上がったような、それくらい思いも及ばない領域です。そして、そんな思いも及ばない領域の話をしてくれるのが本書です。当たり前ですが、開発現場は普通に同じ様な光景が見られるのですね。もう大変です。シッチャカメッチャカ。カオス状態。しかし、それを最強のプログラマーであるカトラー氏がPM的な存在となって現場を猛烈にドライブしていきます。管理者であろうと、コードが書けない人をPMにすることはないというのがMSの方針らしいです。素晴らしいです。そうあるべきですね。

副題が「ビル・ゲイツの野望を担った男達」なんってすごいこと書いてありますけどまぁあながちウソでもないですねぇ。このNTを基にして、現在のWindowsが構成されている訳ですから。XPなんって実際NT5.1なんで単なるマイナーバージョンです。次のVistaはNT6.0になるのかな?全然出てきませんけど・・・

そんな訳でこの本はWindowsNT開発時のお話であります。HAL→IBMと同じくらい有名なVMS→WNTはこの本の主人公デビット・カトラーが由来ですね。それにしてもやっぱりOSの開発ってのは凄いですね。品質にしてもバグばかりだとよくMSは叩かれますが、それだって想像を絶する細かさです。セキュリティの話も出てきますが、実際システムのセキュリティ設計というのは結構あちらを立てるとこちらが立たずみたいな所があって、整合性を保とうとするのに苦労するんですよね。OSなんか特に難しいと思うんですよ。

Vistaもやっとこさ出て来ますが、コーディング量はこのNT1.0に比べて比べものにならないくらい程膨大なものになっているみたいですね。でもセキュリティなんか踏まえてもWindows2003Server辺りでだいぶ落着いたものになっていることは間違いないので今後、OSとしての進化がどれくらい必要になって来るか、MSとしても考えどころなんじゃないでしょうか。そういう意味ではMacの着実かつ堅実なOSの進化は目を見張るものがありますね。