臆病者のための株入門

臆病者のための株入門 (文春新書)

臆病者のための株入門 (文春新書)

またまた橘氏の著書です。相変わらずの人をちょっと突放したような書き方ですが、その温度差が結構好きです。

今回は株式を中心とした話題に触れています。基本的には「ゴミ投資家」シリーズからの継承ですが、最近のお話ももれなくアップデートされています。でもプチ株式バブルだった去年くらいに出版されていればもうちょっと面白かったのになと思いました。特に興味深かったのが、インデックスファンドの日本での有効性についてと、ポートフォリオを組んだ場合の配分についてです。かのアメリカの研究では既にインデックスファンド投資が一番であるという結論に達しつつあるようですが、やっぱり日本はあの偉大なるバブルがあるためにインデックスファンドのパワーの証明は出来ないかもしれませんね。ポートフォリオ内のアセットアロケーションについては、初耳なバランスでした。理由はなるほど。でも大胆。

つど各章のまとめなんかもあって、初心者向けに優しく株式とそれに合理的に接する方法を説明してくれていますが、最後のあとがきに著者自身はこのような投資法を実践しているわけではないと告白しているところが憎らしいです。

「ひとには、正しくないことをする自由もあるからだ。」

さすが。参りました。