- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
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でも、ですよ。この本の例えでもありますが会社で言ったら秘書室長的な立場でしかない三成が、次期社長候補である家康に向かっていくと言うのは相当の立ち回りと覚悟がなければ出来るものではありません。それに私心があったのであれば、三成ほどであれば家康についた方が後々安泰ということは嫌と言うほどわかっていたのでしょう。それをあえて、戦いを挑んだと言うことは正に忠義以外の何者でもないのではないと思うのです。
この本では、秀吉の死に際から関ヶ原の合戦前夜までの彼・石田三成の”企て”の数々をドキュメンタリータッチで描いています。上下2段組で 500ページを超える分量ですがその長さを感じさせないほどあっという間に読めてしまいます。戦いの結末はここでは触れられていません。しかし世の中の流れに流されず、”義”に殉じて関ヶ原の戦いという日本史上稀に見る大会戦まで持ち込んだ彼の” 企て”は正しく成功したのだと感じました。