福翁自伝

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

福翁様です。えぇ、あの壱万円のあの方です。ずっと不思議だったのが、なぜにあの方が壱万円なのだろうかと。大学作っただけだったら、そろそろ大隈さんとかが出てきても良さそうなのですがこの前の新札発行の時も結局変わらずです。

で、この本なのですが、自伝ということで本人の半生が幼年時代から事細かに記されています。でもあんまり自分の業績を語るってことは好きではないらしく、そういう内容は描かれてません。様々な四方山話といった所です。

でも個人的に知合いだったらあまり好きにはなれないタイプかもしれません。なんででしょうねぇ、すっごく筋の通った生き方はしてるんですけどね。幕臣であったのに、江戸で戦が起きるならとっとと逃げるときめこんでいて、吹聴している辺りなのかもしれません。それと西洋礼賛な所でしょうか。門閥漢籍など、それまでの日本の秩序を保ってきたものへの反動であるに過ぎないように思えるのですが。まぁ、そのお陰で上手く時流に乗れた訳なのですが。うん、そういう所が壱万円になれた理由なのかな。