蟻の兵隊―日本兵2600人山西省残留の真相

蟻の兵隊―日本兵2600人山西省残留の真相

蟻の兵隊―日本兵2600人山西省残留の真相

先の戦争に関する本はもうだいぶ読んだりしてきていたのですが、こんな話は初めて知りました。終戦以降も何千人という単位で現地に残って戦っていた人々がいたという事実に。

中国戦線がどのように行われていたかということも実はあまりよく知らなかったんです。一番意味がなく、かつもともとの元凶であったとは思っていましたが。それにしても、山西省とは!そんな奥の方まで、しかも実効支配地域にしてたとは。もともとはこの残留計画も敗戦後の日本の独立のためにどうすればよいかということから考え出されたようです。しかし、それが現地司令官の戦犯逃れ、保身に利用され、中国の国共内戦に利用され、多くの兵隊が無駄死していきます。(この現地司令長官の息子がバブル期の日銀総裁澄田智です。ろくな親子じゃないですね。)

この本の出版理由は、この現地残留が国家として行われたということを認めてもらうためらしいです。でも、確かに国家が関与したことではないんですよね。騙されたというしか他ない悲しい出来事です。