カラマーゾフの兄弟 4

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

さー、ラストは怒涛の第4巻です。ボリュームも凄まじく700ページ弱もあります!この巻では、1つの結論に向かって、様々なモチーフが複雑に絡み合いながら纏まっていきます。宗教話、革命論、科学論、、、

そんな中でも一番印象的だったのが、イワンが神がいなければ、人間は何をやっても許されるという考えを持ちながらも、しかし、人間はその自由に耐えられないだろうという言葉でした。そうなんですよね。20世紀以降のこの世の中というのは、正に神無き時代。人間が神の存在を殺してしまった時代なんです。そして、その自由を自分で制御出来ていない。。。イワンは更に、人間がこの自由を制御出来るようになるまで1000年はかかるだろうと喝破しています。本当にそうなのかもしれない。それまで人間が存在出来ているのだろうか。

この物語の結末は、審判は、ビックリなどんでん返しです。ドストエフスキーが死の直前に描きあげたこの最高傑作を読み通すのはなかなかの充実感がありますね。