カラマーゾフの兄弟 5

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

4巻のあのちょっと消化不良気味の結末に戸惑いを覚えていたので、このエピローグはとても重要ですね。そして、この本にはドストエフスキーの生涯とこの物語の解題が掲載されています。

物語の一番初めに書かれているのですが、このカラマーゾフの兄弟という小説、実は2部構成で今までのは第1部に相当する訳です。しかも、第2部の方が重要だと書かれているんですよ。で、第2部は?ってことなんだけども、それを書く前にドストエフスキーは死んでしまうのですねぇ。このことを解題を読んでて改めて思い出しました。う〜ん、ほんとにもったいない。残念です

実際、この生涯年表と解題によってこのカラマーゾフの兄弟への理解がとても深まります。なんとなく感じていたことを明示的に思い出させてくれてかなり面白く感じます。しかも訳者のこの物語に対する、熱い思いが表れていてとってもよい解題だと思いました。