水源

水源―The Fountainhead

水源―The Fountainhead

建築家をテーマとして、人間の尊厳について描いた本。2段組で1000ページ超もあって、それが一冊で出版されてます。分厚いです。辞書みたい。

雰囲気としては、ロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」に似てるかなと思います。新しいものを表現する芸術家の孤独と苦悩を、そしてそれに対する大衆を通して何者にも迎合しない力強さというもの本当に緻密に繊細に繰り返し描き出しています。

この本はもう60年以上前に出されたということで社会主義が勢い良く発展している中でこのような大衆主義に警告を鳴らしてるというのは本当に偉大だと思います。その意味では今の日本にも当てはまることこの上ないのですが。ちなみに著者はリバタリアニズムと言って、自由主義の中でも急進的な考え方の代表的な作家でもあります。アメリカ人の考え方を知るうえでも読んでみる価値のある一冊と思います。