- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
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ソフトウェアがその複製の容易さから、限界費用がゼロに近いというのは至極納得できる話ですが、近年のデフレに伴う物の価値の低下はあるものをフリーで提供して、それ以外のサービスで稼ぐ(それは広告であったり、付加価値向上であったりします)新しいビジネスモデルの登場を可能にしてきています。
今まで経済学の観点を踏まえて、このような現象を扱った本はなかったような気がします。単にGoogleがスゴイとかそんなことではなく、経済活動に対する新しいパラダイムが開かれつつあるのかなという認識です。つまり、あるモノを売ってその対価を得るという単純な取引形態から、あるモノをタダで提供して、それ以外の何かで対価を得るという、考えようによっては複雑な形態が生まれつつあるということです。
それから、ムーアの法則によりどんどん価格が逓減していき、逆に機能が向上されるものについて(メモリやCPU、ネットワーク回線など)、その価格付けを無視するくらい大量に使うことによって出来る製品やサービスを考えてみると、新しい発想が生まれるだろうというのは物凄く示唆に富む話だと思いました。