人生を半分降りる

人生を“半分”降りる―哲学的生き方のすすめ (新潮OH!文庫)

人生を“半分”降りる―哲学的生き方のすすめ (新潮OH!文庫)

始めの出だし部分は良かったんですけどね。確かに考え方としては、こういう考え方も悪くないと思います。人生を生きているとある程度から先は見えてきてしまうこともあるものです。変に期待して、変に希望を持って、あくせく働いたり、徒に人生を浪費するよりかは、世の中の雑事から身を引いて、自分の人生を生きるという考えもありだと思います。

問題はただ単にこの本の著者自身が厭世家ってだけなのですよ。そのくせ自分自身は大学を辞めずに給料だけは貰って、毎年ウィーンで休暇を過ごすのがやめられないという我侭っぷりです。

しかも本を出すくらいだから、世の中になにかしらのアピールをしたいんですね。こんな自分がいるんだというアピール。困ったものです。サリンジャーみたいに何も言わずに引き篭もればよいのに。まぁだからこそ<半分>なんでしょうけど。

まぁ哲学者ってこんなもんなんですかね。あれこれ考えるだけで、なんの生産性もない。がっかりですよ。