管理会計マネジメント

金融機関のための管理会計マネジメント―IFRSとバーゼル2の動向を踏まえて

金融機関のための管理会計マネジメント―IFRSとバーゼル2の動向を踏まえて

主に銀行を想定して、管理会計をどのように行っていくかということを記述した一冊です。銀行という業種は基本的にお金にまつわるリスクを取って、それに対してリターンを得るというのが根本的なビジネスモデルとなります。つまり、それら様々なリスクを漏れなく認識して、それを管理するというのが真っ当な経営のあり方であるべきなのです。

・・・とはいうものの、そのように考えられてきたのはつい最近でして、それまでは信用リスクについて経験値的な管理手法はあったのですが、それ以外のリスクというものは結構なおざりにされてきたのですね。世界的にもそれらが認識され始めたのは90年代頃からで、ちょうどその頃に制定された銀行のリスク水準の指標がBIS規制でバブルで浮かれた日本の銀行にモロにヒットしてしまったわけなのです。

で、BIS規制が対外的なリスク管理の結果表示だとすれば、内部的にはもっと精緻に原価(リスク)と収益(リターン)の管理があってしかるべきというものです。そして、それは取っているリスク種別ごと(つまり事業ごと)やリスク対象(顧客など)で管理していくべきなのです。そんな訳で本書は銀行のそんな部門(経企とか)の人が読むと良いんじゃないかなと思いますよ。