ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

ビジョナリーカンパニーの3巻目です。今回は偉大であった企業がどのようにして没落していくかをいつもの詳細な調査を元に示してくれます。

読みながら、対象となる企業にあの会社が入っていないかちょっとドキドキしていました。日本企業で唯一ビジョナリーカンパニーに取り上げられたあの会社です。今ではかつての輝きはなく、過去のブランドだけが取柄のようになってしまったあの会社。幸か不幸か今回は対象にはなっていませんでした。

ビジョナリーな会社がどのようにビジョナリーになっていくかというお話があるように、衰退していく会社も同じように衰退していく理由があるわけです。本書ではそれを5段階にわけて説明してくれます。そして、衰退と同様に復活もどの段階でもありうることも示してくれます。

最後に出ているチャーチルの話には心動かされるものがありました。母校の学生に残した”屈服しないこと”という教訓はとても重く心に残ります。思えば我が国も衰退の一途を辿っているように見えるのでしょう。そんな時に、こんな指導者がぜひ現れて欲しいものだと心の底から感じました。戦略は変えても基本的理念・目的を突き進むこと、そのことに対して”決して屈服せずに”ひたすら一途に突き進むこと。強烈な敗北はやむをえない、しかし苦闘することを放棄してはならない。成功とは倒れても倒れても起き上がること。これこそが暗闇からの脱出であると。我々はまだ諦めてはいけないのです。